鍵からオフィスのセキュリティを高める【その1】~電気錠、電磁錠、電池錠の使い分け~

2024年02月02日
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皆さんの会社のセキュリティって、どんな状況ですか?
外から入る場所は、物理錠(普通のシリンダー錠)の場所が多いですかね。
最近は、電気錠で制御している場所も増えてきています。

一方、室内のセキュリティレベルの高い場所の管理は、というと・・・。
もちろん、物理錠である場所もありますが、そういった場所には、電池錠、電気錠が使われていると思います。
それを使うことで、セキュリティ精度が上がったりすることもありますが、どういう場所そういったものは必要になるでしょうか?

【物理錠のデメリット】

・鍵を落としたら、開けられてしまう。
・本数を多くすればするほど、そのリスクが増える。
・本数が多い場合、誰が開けたかの履歴が取れない。
・特に外からの出入り口等で鍵を持っていなくてはいけない管理者は、落とさないようにといつも気を遣う。

 

【電池錠】
MIWAのTK-4LTに代表される電池錠。現在は、TK-5LTが発売され、それが主流になってきています。
電池錠のメリットは、圧倒的に簡単に取り付けられるという点です。
配線工事が不要なので、扉の加工をするだけで、取付が可能です。
電池式なので。1年に1回程度、電池を変えることで、運用は可能です。
また、シリンダー錠がついているので、テンキー番号を忘れたとか、電池が切れたという場合でも、
シリンダー錠を回せば、開けることが出来ます。


様々な場所で見かけるこのフォルム(MIWA TK-4LT:現在はTK-5LTに変わっています)

【電池錠を使いやすい扉】
・一般的な片開きの開き戸(親子ドアでも使えますが)
【電池錠に向いている場所】
・社内の様々な人が利用する場所。
・何らかのセキュリティを備えることで、一応入室に制限をかけたい場所。

【電池錠に向いていない場所】
・重要書類が入っている場所
・社員の中でも一部の人しか入れないようにしなくてはいけなない場所
・緊急の時にすぐ開けたい・閉めたい場所


現在のTK-5LT(テンキー+カードでの解錠が可能なものになっています)

今の電池錠は、FELICAやMIFAREのカードが使える電池錠もありますが、結局は電池で動いているものに
変わりはありません。
重要場所を制御するというよりは、一応の制限というイメージで考えていただくといいでしょう。

【電磁錠】
電磁錠は、扉と扉の枠に電磁錠の部材を取付け、それらが接触した時に、磁石の力で動かなくさせる
という機構のものです。(説明が上手くなくてすいません)
配線工事は必要ですが、扉枠までの配線でいいので、扉の種類を問いません。
基本的には、引戸に付けることが多いものです。


【電磁錠に適している扉】
・引戸(これは、圧倒的に向いています)
・扉の厚みが薄い場所(錠前のケーシングを入れられないレベルの扉には向いています)
・シリンダー錠を運用しなくていい場所

【電磁錠が使えない扉】
・シリンダー錠でも運用したい扉(例外もあります)

【電磁錠に向いていない場所】
・重要書類が入っている場所

電磁錠は、テンキー認証やカード認証で使われる場所が多いですが、
時には、時間帯制御だけ使っている場所もあります。

【電気錠】
電気錠は、扉内側を通線することで、扉のなかに電気錠のケーシングを入れ、その錠によって扉を
制御します。
配線工事が必要ですし、工事も大掛かりになります。
その分、セキュリティ性能は高いです。

【電気錠が向いている扉】
・基本、薄すぎない扉であれば、ほぼ対応できます。
・特殊な扉でも、それに合わせた錠があります。

【電気錠に向いている場所】
・入室に履歴を必要とする場所(重要書類、危険物が入っている場所)
・人によって入れる人、入れない人を設定したい場所(役員室、応接室、会議室等)
・時間によって、自動的に開閉の設定をしたい場所(玄関、事務室等)

電気錠もテンキー認証、カード認証が多いですが、場所によって生体認証(指静脈、手の甲、手のひら、虹彩等)
を利用している場所も多いです。
認証精度が高くなると、それに応じてセキュリティ精度が高くなります。

【電磁錠・電気錠で停電になった場合】
これだけ見てみると、電気錠はセキュリティにとって、なくてはならないものだと思います。
ただ、弱点があります。
それは、停電になった時です。

当然、電気で動く錠前なので、電気が来ないと動きません。
一番まずいのは、電気が来ない時の電磁錠です。
電磁錠は、電気が来なければ開いてしまいます。
もちろん、場所によっては物理的にサムターンを付けている場所があり。それを回すことで、物理的に
施錠はできますが、電磁錠が閉まるわけではなく。サムターンで閉まっているという状態になります。

電気錠は、ついている錠種によって、停電時したときに施錠するか、解錠するか、状態を維持するか
変わってきます。
停電時に施錠する扉:重要な書類等を保管している場所、オフィスや会社の玄関等に使用
停電時に解錠する扉:非常口や非常のときに開かなくてはいけない場所に使用
停電時にその状態(解錠の場合は解錠、施錠の場合は施錠)のままにする扉:車いすの方や大きい荷物が通る通路などに使用

電気錠の場合。実際はこれにどういった認証装置を付けて運用するかという問題になってきます。
認証の方法については。また別の機会にお話しします。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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