グッドデザイン賞2025年度受賞~イトーキとaxonaAICHIの受賞商品~

2025年10月30日
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皆さんこんにちは!入社4年目のTです。11月中旬になり、かなり冷え込んできましたね。インフルエンザもはやってきているので体調には気を付けましょう。
さて、10月15日(水)に2025年度のグッドデザイン賞が発表されました。
ここ数年、働き方や学びの場が大きく変わりつつあります。そんな中で、デザインが、ただ見た目の良さだけでなく、人の暮らしや社会の仕組みをよりよく変える力として注目されています。まさにその象徴とも言えるのが、1957年に始まったグッドデザイン賞(Gマーク制度)です。
2025年度のグッドデザイン賞において、特に注目したいのが、株式会社イトーキと、axonaAICHIの受賞です。

1、イトーキのグッドデザイン賞受賞商品

今回、イトーキは、「製品4件、空間2件、ブランド1件」の計7件でグッドデザイン賞を受賞しました。
そのなかで印象的な受賞対象をいくつかピックアップしたいと思います。

「NII(ニー)」

「Nll(ニー)」は、イトーキが新たに立ち上げたファニチャーブランドです。コンセプトは「Ingenious design―創意創発するデザイン」。グローバルに活躍するデザイナーとコラボし、働く場に新たな価値を生み出すプロダクトを展開しています。
審査委員のコメントでは、「多様性ある人々が最大限に力を発揮できるための環境や空間を生み出そうとするブランドビジョンが感じられる」「仕上がりも簡素で美しい」などが挙げられています。

関連する画像の詳細をご覧ください。NII | About NII

「BITMAP(ビットマップ)」ソファ

「BITMAP(ビックマップ)」は、大小サイズの異なるブロックが一つのエッジで繋がり、独特な佇まいを生み出すソファです。上面が簡易テーブル、肘置き、背もたれとしても活用でき、腰掛けることも可能です。1モジュールでありながら、複数を交差させて配置することで、平行・対面・斜めなどあらゆる方向でのコミュニケーションが可能です。
審査委員のコメントでは「人々の多方向からのコミュニケーションを促し、空間に動きと交流を生み出す製品」という評価が挙げられました。

「ITOKI DESIGN HOUSE 11F(ショールーム型オフィス空間)」

イトーキが手掛けた空間デザインとして「ITOKI DESIGN HOUSE 11F」も受賞対象となっています。
この空間では、快適さや働き心地を大事に、コミュニケーションやアイデアが湧き出るような場・囲われ感のある座席配置や柔軟なレベル差を活用することで、来訪者・社員双方が長時間落ち着いて働ける環境を作り出しています。審査委員のコメントでは、「単に可変性を求めるのではなく、空間の質を保ちながら機能を両立する姿勢に、オフィスデザインへの成熟した視点が感じられる」とあります。

2. axonaAICHIのグッドデザイン賞受賞商品

続いて、axonaAICHIの受賞商品は、ネスティングデスク[Fino]とホール・劇場用椅子[ATS-1600]の2点が、2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。

「Fino(フィーノ)」

特徴は、ミニマルなストレートライン構成と高い収納性と、レイアウトの自由度が高く、コミュニケーションの質を高める様々なレイアウトに対応でき、豊かな最適空間を生み出すことができる点です。また、ネスティングでタイトに重ねて収納できる点が個人的にすごく良いと思いました。
審査員コメントでも「パイプフレームをシンプルなストレートラインで構成し、無駄を削ぎ落としながら、レイアウト変化と収納性を両立した点」がデザインのポイントとして挙げられています。

「ATS⁻1600」

ホール・劇場用観覧席としての基本機能は当然座り心地にありますが、着席以外の人の行動すべてを丁寧にフォローすることにより空間全体の居心地が決まるという考えからユニバーサルな視点でデザインを追求した商品です。

特徴は、人が通り抜ける際に着席者の脚を逃がすための脚部の切り欠き形状は、背板から流れるカーブラインと調和させることで、シンプルでまとまりの良い落ち着いたスタイリングの中に取り込んでおり、また、座の先端の下部を斜め奥に傾斜させることで離席の際に立ち上がる位置に脚を引き寄せやすくしており、着席時以外のユーザーの動きに寄り添うユニバーサルデザインです。

審査員のコメントでも、脚部には着席者が足を横に逃がせる切り欠きが設けられ、通路を行き来する人の動きを円滑に受け入れている。さらにシート部の素材や形状にも工夫が凝らされ、柔らかさと安定感を両立させることで快適な座り心地を提供している。利用者だけでなく周囲の動線にも配慮した設計は、ホール空間全体の快適性を高めるデザインとして高く評価できると挙げられています。

さいごに

以上2025年度に株式会社イトーキとaxonaAICHIで受賞したグッドデザイン賞のご紹介でした。

デザインというと装飾やトレンドの話に思われがちですが、2025年のグッドデザイン賞でのイトーキとaxonaAICHIの受賞には、「場をどうつくるか」「人がどう働くか/学ぶか」「どう集うか」という、暮らしと社会に深く関わるテーマが込められています。

開周堂では千葉県を中心に関東各地でのこのようなオフィス空間の改善や「はたらきたくなるオフィス」の構築のお手伝いをしています。
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